賠償保険で保険金額を決める2つのポイント

202028Apr.

企業経営者の皆様、事業におけるリスクを転嫁するために賠償責任保険にご加入の事と思います。ところで、賠償責任保険の保険金額はいくらで契約したらいいかご存知ですか?

対物と対人で分けて考える

一般に賠償責任保険とは企業活動に起因して、他人の物を壊したり、人にケガをさせたことで法律上の賠償責任が発生する事態に備える保険です。

事業用で使用される自動車の自動車保険の対物・対人賠償責任は無制限で契約していることが多いと思います。万が一、人を死亡させてしまったらいくら保険金が必要になるかわからないので、せっかく保険に加入するなら無制限にしておけば安心ですよね。

しかし、事業用の賠償責任保険では無制限で保険金額を設定できません。それでは、いくらにしたらいいのでしょうか。

最大いくらのモノを壊すリスクがあるか(対物)

物に対する賠償責任保険の保険金額は、その企業の活動に起因して物を壊してしまう場合最大いくらぐらいの物を壊してしまうかを想定して保険金額を決めればよいのです。

物が損壊した場合、法律上の賠償責任としては、その物の修理費、もしくは全損したなら同等の代替品を用意する金額を負担する必要がでてきます。そのため、業務の中で可能性は低くとも壊したら一番大きな被害になるモノを洗い出しましょう。

死亡や後遺障害が残るケースを想定(対人)

人に対する賠償責任保険の保険金額はどのようにして決めるのでしょうか。
こちらも最悪のケースとして、企業の活動に起因して人を死亡させてしまったり、重度の後遺障害を負わせてしまった場合を想定するのが良いです。

  • 死亡の場合

人の死亡に対する賠償金額は、一般的に「逸失利益+慰謝料」で計算します(細かくは葬儀費なども含みます)。逸失利益とは亡くなった人がもし生きていたならば将来にわたりいくら稼げたかを示すものです。一般的に下記のような計算式で表されることが多いです。

逸失利益=(収入額-本人生活費) × 就労可能年数に対応するライプニッツ係数

この計算式に、年収500万円の35歳男性で計算すると、本人生活費など条件によりますが7,000万円程の金額になることが多いです(2020年4月時点)。勤労可能年数は、67歳までで計算するので普通に考えたら少なく感じるかと思います。

その理由は、賠償金は一時払いで支払うので、そのお金が運用されるのを想定して割引かれた金額が計算されます。その割引に使われているのが「法定利率」です。法定利率は2020年に5%から3%にさがり、さらに3年おきに市中の貸出金利を参考にして決定されます。法定利率が下がれば、逸失利益は上がります。実際の計算は上記計算式のライプニッツ係数というものを使っています。

  • 複数人の被害も

上記のように、年収500万円の35歳男性を死亡させてしまった場合、逸失利益だけで7,000万円程が必要になります。さらに家族がいた場合は慰謝料や葬儀費用等が上乗せされます。また、死亡するまでに入院していた場合は治療費なども加算されることもあり、総額で大きな金額となっていきます。さらに、年収500万円の人を同時に複数死亡させてしまうケースなども、業種によっては想定できます。

まとめ

ある損害保険会社の企業系賠償責任保険の保険金額は、90%が1億円以下で設定していると聞いたことがあります。もし人を死なせてしまう可能性がある業種だとしたら、1億円は少し心もとないように感じます。

今後日本においても、人に対する賠償責任の金額は上がる傾向になります。賠償保険では、一般的に保険金額を1億円から3億円・5億円にしたところで保険料は3倍・5倍にはなりません。

契約している賠償責任保険の保険金額をこの機会に是非見直すことをお勧めします。ノバリでは賠償保険専門のお問い合わせサイトも長年運営しています。賠償保険について気になる方はお問い合わせください。


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